賃貸契約で、転勤のときに困らないための条件
この記事は一般的な仕組みの紹介です。制度は改正されます。最新の内容や自分の場合の扱いは、防衛省・自衛隊の公式サイトや所属部隊の担当窓口でご確認ください。
転勤が決まってから「解約のルール」を読み返しても遅いことがあります。契約の前に、次の5つを確認しておくと安心です。ここでは一般的な考え方だけを紹介し、個別の判断はしません。
1. 契約の種類:普通借家か、定期借家か
普通の賃貸借(普通借家)は、条件を満たせば更新されていきます。一方、定期借家は更新がなく、期間が終わると契約が終わります。更新がない代わりに、居住用で床面積が200平方メートル未満なら、転勤・療養・親族の介護などやむを得ない事情があるとき、借りる側から解約を申し入れられます。申入れから1か月で契約が終わる、と国土交通省の資料にあります。自衛官の異動がこれに当たるかは、契約書と窓口で確かめてください。
2. 解約の予告期間
国土交通省の標準契約書では、借りる側は30日以上前に申し入れる形です。30日に満たなくても、30日分の賃料を払えば解約できます。ただし、これは標準の例です。実際の契約書では「1か月前」「2か月前」など違うことがあります。
3. 中途解約と違約金
- 期間の決まった契約で、解約できる権利が契約に書かれていなければ、貸主との合意が必要になります。
- 「1年未満で解約したら家賃◯か月分」のような違約金の特約を見かけます。標準契約書の解説では、違約金に関係する法律として消費者契約法第9条が挙げられていますが、個別の有効・無効はここでは判断できません。額と条件を書面で確認し、納得できなければ契約前に相談しましょう。
- 契約後・入居前に解約する場合も、契約が成立してから解約までの家賃は必要とされています。辞令が出る時期と契約の時期は、よく見比べてください。
4. 更新と更新料
更新には、話し合いで決める「合意更新」と、貸主が期間満了の1年前から6か月前までに更新しない通知をしないと続く「法定更新」があります。更新料は法律に決まりがなく、標準契約書にもありません。更新料の条項について、平成23年の最高裁判決は、額が賃料や更新期間などに照らして高すぎるなどの特段の事情がない限り有効、と判断しています。契約書に書いてあれば有効になりうるため、更新料の有無と額を最初に確認しておきましょう。
5. 敷金と特約
敷金は、標準契約書では、退去時に家賃の未払いや原状回復の費用などを差し引いて返す形です。差し引くときは、貸主が内訳を示すことになっています。特約は、内容を理解して合意していることが大切で、項目ごとに書いて押印することが望ましいとされます。分からない特約は、その場で質問しましょう。
転勤が決まったときの動き方
- 辞令や内示で時期が分かったら、早めに貸主か管理会社へ連絡します。
- 解約の通知は、契約書に書かれた方法(書面など)と宛先で行います。
- 日数は申入れ日から数えます。標準契約書の解説の例では、9月30日に退去するなら8月31日までに申し入れます。
- 退去の立会いでは、入居時の写真と見比べ、費用の内訳を書面でもらいます。
契約前のチェックリスト
- 契約の種類(普通借家か、定期借家か)
- 解約の予告期間と、解約できる条件
- 違約金・更新料の有無と額
- 敷金の返し方と、退去時の費用負担
- 特約の内容
契約でもめたときは、消費者ホットライン「188」に相談できます。住まいの探し方は独身の住まい、結婚後の住まいもあわせてどうぞ。