自衛官の退職後の再就職の流れと援護のしくみ
この記事は一般的な仕組みの紹介です。制度は改正されます。最新の内容や自分の場合の扱いは、防衛省・自衛隊の公式サイトや所属部隊の担当窓口でご確認ください。
自衛官は、一般の会社員より早く退職する人が多い仕事です。そのため、再就職を助ける「援護」という仕組みが用意されています。ここでは、公式ページで確認できる範囲で、流れと注意点をまとめます。
なぜ援護があるの?
公式ページによると、定年が早い「若年定年制」の自衛官は50代半ば以降、任期制の自衛官は20代から30代半ばで退職することが多いとされています。多くの人が退職後に新しい仕事を探す必要があるため、再就職の支援は国(防衛省)の責務と位置づけられています。全体の進路は自衛官をやめたあとの進路の記事もどうぞ。
誰が職業を紹介するの?
防衛省・自衛隊は、自分で職業紹介を行う権限を持っていません。無料の職業紹介は、厚生労働大臣の許可を受けた一般財団法人「自衛隊援護協会」が行っています。全国の7か所に支部があります。
各地の地方協力本部や基地・駐屯地の援護担当は、求人の取り次ぎや相談の窓口になります。首都圏や愛知県では、任期制の隊員に対して、民間の再就職支援会社が支援する仕組みも案内されています。
定年退職の日は隊員それぞれの誕生日が基準になるため、求人は年間を通して扱われると案内されています。船で働くことを希望する人には、船員の職業紹介所への取り次ぎを行っている地域もあります。
在職中に受けられる準備の教育
地方協力本部の公式ページには、次のような教育の流れが紹介されています。
| 区分 | 主な内容 |
|---|---|
| 任期制の隊員 | 入隊3年目ごろにライフプラン教育、退職予定者向けの就職補導教育、技能訓練など |
| 若年定年制の隊員 | 定年の約10年前に集合訓練で動機づけ、定年の3年前ごろから業務管理教育や技能訓練など |
技能訓練では、大型免許、フォークリフト、電気工事士、危険物取扱者などの資格に関わる課目の例が紹介されています。防災・危機管理の分野を目指す人向けの教育もあります。実際の時期や内容は部隊によって異なることがあるので、担当に確認してください。
定年が早いことへの備え
定年が早い分の収入を補う「若年定年退職者給付金」という制度も、自衛官募集のページで紹介されています。対象や条件は変わることがあるため、自分の場合は担当窓口で確認してください。
求人が本人に届くまで
- 企業は、援護協会の支部などに求人票を出します。登録に費用はかからないと案内されています。
- 面接を除き、企業と退職予定の隊員が直接やりとりすることは原則ありません。日程の調整は担当者が間に入ります。
- 本人への直接のスカウトは認められていないと案内されています。
気をつけたい決まり
再就職をめぐっては、公正さを守るための規制があります。たとえば、現職の隊員が営利企業などに他の隊員の再就職を頼むことは禁じられています。また、仕事上の利害関係がある企業に、在職中に就職活動をすることにも制限があります。自分で動く前に、必ず援護の担当窓口へ相談しましょう。
お金をとる話には注意
防衛省・自衛隊、援護協会などが、求人の掲載料や登録料を求めることはないと案内されています。「退職自衛官の再就職をあっせんする」といって料金の振り込みを求める連絡があったら、応じずに公式の窓口へ確認してください。
退職前に家族と話しておくこと
- 退職の時期と、そのあとの収入の見通し(退職手当などはボーナスと退職手当のしくみへ)
- 住まいをどうするか(今の宿舎にいつまで住めるかは、担当窓口で確認しましょう)
- 共済組合の保険や年金の手続き(防衛省共済組合の記事)
早期退職の募集や、退職の何か月前に何をするかといった細かい手続きは、今回確認できた公式ページには書かれていませんでした。時期や必要書類は、所属の担当窓口でご確認ください。