自衛隊法の基本|任務と服務の考え方
この記事は一般的な仕組みの紹介です。制度は改正されます。最新の内容や自分の場合の扱いは、防衛省・自衛隊の公式サイトや所属部隊の担当窓口でご確認ください。
自衛隊法は、自衛隊の任務や組織、隊員の身分や守るべきことなどを定めた法律です。防衛省設置法にも、自衛隊の任務や行動、権限は自衛隊法の定めるところによる、と書かれています。ここでは条文を細かく解説せず、「任務」と「服務」の大きな考え方だけを紹介します。
防衛省設置法とのちがい
防衛省がどんな仕事を受け持つかは防衛省設置法に、自衛隊の任務や行動、権限は自衛隊法に書かれています。防衛白書は、防衛省・自衛隊は国の行政機関なので、任務を行うには法律上の根拠が必要だと説明しています。自衛隊法は、さまざまな事態で自衛隊がどんな手続きで何ができるのかを、いわば索引のように定めた法律です。
なお、防衛省設置法には「自衛官は、命を受けて、自衛隊の隊務を行う」という定めもあり、自衛官は命令を受けて動く立場であることが分かります。
任務の考え方(第3条)
防衛白書では、自衛隊の任務を「主たる任務」と「従たる任務」に分けて説明しています。
| 主たる任務 | わが国を防衛すること(防衛出動)。自衛隊だけが果たせる任務とされています。 |
|---|---|
| 従たる任務(1) | 必要に応じて公共の秩序の維持にあたるもの。治安出動、海上警備行動、弾道ミサイル等への破壊措置、災害派遣、領空侵犯への措置などが挙げられています。 |
| 従たる任務(2) | 主たる任務に支障のない範囲で、別の法律に基づいて行うもの。後方支援活動や国際平和協力活動などです。 |
主たる任務と従たる任務をあわせて「本来任務」と呼びます。このほか、国賓の輸送や運動競技会への協力など、付随的な業務もあります。陸・海・空の各自衛隊は、それぞれ主として陸・海・空で行動することを任務としています。(→自衛隊の任務、災害派遣)
服務の考え方
「服務」とは、隊員が職務に就くときの心がまえや守るべきことです。自衛隊法の第52条は「服務の本旨」として、わが国の平和と独立を守る自衛隊の使命を自覚し、団結と厳正な規律を保ち、責任感をもって職務に専念することなどを定めています。
入隊のときの「服務の宣誓」
隊員は、防衛省令の定めに従い、服務の宣誓をします。宣誓の要旨は、憲法と法令を守ること、団結して規律を保つこと、心身と技能を鍛えること、政治的活動に関与しないこと、危険を顧みず責務を果たして国民の負託にこたえることです。
自衛隊法に定められた主な義務
海上自衛隊の公式ページでは、次の6つが挙げられています。
- 指定された場所に居住すること
- 職務を遂行すること(上官の許可なく職務を離れないなど)
- 上官の命令に従うこと
- 品位を保つこと
- 秘密を守ること
- 職務に専念すること
居住の義務は、どこに住むかという暮らしのルールにつながります。(→官舎のしくみ)また、隊員はいつでも職務に就ける態勢にあることが求められ、勤務時間や休暇は防衛省令で定められています。(→休暇)
倫理の決まりもある
防衛省には、服務の宣誓とあわせて倫理行動規準があります。国民全体の奉仕者として公正に職務を行うこと、職務や地位を私的な利益に使わないこと、職務についていないときも公務の信用に影響することを意識して行動すること、などです。
読むときの注意
- 法律は改正されます。条文の全文は、e-Gov法令検索などの公式サイトで確認してください。
- この記事は自衛隊法の一部を、公式資料の言葉でやさしく整理したものです。実際の運用は、法令や部隊の規則によって決まります。
- 防衛省と自衛隊のちがいはこちらの記事にまとめています。